千葉県佐倉市にある酒蔵「株式会社旭鶴」の見学レポートです。
冬のとある朝、千葉の酒蔵「株式会社旭鶴」を訪ねました。
案内してくださったのは、代表の田中孝一さんです。
旭鶴の創業は1830年。地元の水と米を使い、酒造りに取り組んでいます。
「妻が杜氏をしています。今、ちょうど洗米作業中です。
大変失礼ですが、彼女に挨拶は不要です。
作業中の彼女にどうか声をかけないでください。」
という説明で始まった、旭鶴の酒蔵見学。
「彼女は今、時計を確認し、秒数を数えながら作業しています。
見学のお客様に挨拶をしたり、お客様から挨拶をされると、
数えている数がわからなくなります。だから今、彼女に声を
かけないでほしいのです。」
酒造りは神秘。洗米だって適当に米を洗うわけではありません。
秒数を測り、米の吸水量を調整しながら、秒単位で作業を行っています。
ぴりりと冷たい空気が張りつめる中、黙々と作業を続ける
杜氏の緊張感のある姿を、しばらくの間、固唾を飲んで見守りました。
仕込み蔵では、プチプチというもろみの醗酵する音が聞こえてきます。
仕込みタンクを上からのぞくと、もろみの表面で時折、泡がはじける様子を
見ることができました。
酒造行程の丁寧な説明を受けながら、見学を終えて直売所に戻ってきました。
大切に作られたお酒がどんな味なのか、見学後に試飲させていただきました。
そこで出会った、旭鶴の「至福の逸品」は…
ちょうどお花見の頃に完成するにごりの純米酒「ほんのりさくら色」です。
赤色酵母で醗酵させた、さくら色の日本酒。
ひと目見ただけで、その色の美しさにとりこになります。
アルコール度数は11%と低めの純米にごり酒です。
まるで甘酒をいただいているかのような、優しい味わい。
温めて甘酒気分で味わうのもよさそうです。
日本酒初心者にも試してみてほしいお酒です。
かわいらしいパッケージのお酒がもうひとつありました。
名前は「ハチブンブン」。熟成純米酒にはちみつを加えたリキュールです。
はちみつも、もちろん千葉県産。
日本酒初心者から熟成酒ファンまで、幅広い世代にオススメです。
代表銘柄である『旭鶴』は、フルーティーでふくよかな吟醸香があり、
淡麗な味わいが特徴です。佐倉の地で酒造りを始めてから、
7代に渡り引き継がれてきました。
田中夫妻の二人三脚で造り出す、上品な味わいの日本酒たち。
旭鶴では、造りの時期も一般の蔵見学を受け付けています。
小さな酒蔵の真摯な酒造りを見学することができます。
アクセスは、京成もしくはJR「佐倉駅」からタクシーで約15分です。